介護ってメチャ贅沢なサービスなんです~介護サービスの充実と生産的労働力
2015年3月29日
by 村長
産経新聞のインターネット版(平成27年3月27日配信)によれば、「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる平成37年には、東京都内の高齢者の4人に1人に介護が必要となり保険費負担が増加する。」そんな推計がを東京都が「都高齢者保健福祉計画」の中でで示したそうです。支えるためには現役世代(15~64歳)の35人に1人が介護職に従事しなければならないことになります。
詳細は出典元をご覧ください。http://www.sankei.com/life/news/150327/lif1503270029-n1.html
厚生労働省はどういう訳か「居宅介護」を推奨しています。確かに個々のお年寄りの気持ちを考えたら、ベターです。(ベストではない理由は、施設介護でもハートピア故郷苑は楽しいから(^_-)-☆)
どうして「どういう訳か」なんて書くかと言うと、介護従事者が絶対的に不足することが予測される中で、居宅介護を受けると言うことは貴重な労働力を毎日、相当量占有すると言うサービスを受けると言うことだからです。つまり、介護はとっても贅沢なサービスってことなんです。国民全員に贅沢なサービスを提供しましょうって気前のいい話をしてる訳なんだから、国家は破綻しますわ。
例えば、居宅介護を受ける介護5の方を考えてみます。ちょっと乱暴な計算ですがご容赦ください。
30分程度の身体介護Aを週5回(7回ではない)、1時間程度の身体介護Bを週10回(要は平日午前午後にそれぞれ1回のイメージ)、訪問看護1時間を週1回、訪問入浴を週1回(みんな毎日お風呂入ってるっしょ?)、それぞれ受けて、必要な福祉用具の貸与を受けたら、約3万6千点(介護報酬約36万円に相当)の持ち点をほとんど全部使っちゃいます。それ以外の時間、つまり夜間と土曜日日曜日は爺ちゃん婆ちゃんを放置して床に転がしておくか、ぜ~んぶ家族が夜も寝ずに介護するってことです。それでも、自己負担は1点約1円で約3万6千円かかります。
もし、せめて土日だけでも家族がゆっくりしたいと思って爺ちゃん婆ちゃんをショートステイに預けたら、さらに毎月約10万円の自己負担が発生します。
なんて高いんだって思ってもらう計算じゃありません! これだけをもらっても訪問介護事業者は収支がトントンなんです。つまり、それだけ労働力を費消しているってことを知って欲しいんです。(36万円の人件費があったら、自動車工場だったらどれだけの生産ができるでしょうか!)
これに対して施設介護はどうかって言うと、ハートピア故郷苑の場合、同じ持ち点約3万6千点で週に3回お風呂に入れますし、身体介護も看護も必要なサービスが必要なだけ提供されます。夜間も家族に負担をかけませんし、入通院時にも家族の負担は原則ありません。つまり、それだけ労働力を節約しているから、必要なサービスが提供できるってことです。
これは、靴に喩えるとわかりやすいかも知れません。居宅介護はオーダーメイドのサービスです。オーダーメイドの靴を買うなら、相応のお金を出さなきゃいけないけど、お金がないなら右足の分だけで我慢しなきゃって話です。でも、靴屋さんに並んでいる靴なら、センスのいい靴だって安く買えます。右足も左足も揃っています。施設介護は個々のサービスに融通は利かないかも知れないけど、多くのサービスを受けることが出来ます。
まして居宅介護では、家族の貴重な労働余力まで奪います。ただでさえ労働人口が少なくなる平成30年以降、マクロ経済の視点から見てもとっても無駄なのです。居宅介護を無駄と括ったらお叱りを受けるかもしれません。言葉を改めます、「無謀」なのです。
東京都は「年間3千人の介護従事者を確保すればいい。実現可能な数字だ」としているようですが、その人件費はどこから捻出するのでしょうか。団塊の世代の方々もいつかはお亡くなりになられます。その時期にその3千人の職員は何をするのでしょうか。
人を増やすのではなく、増やさなくてもいい方法を考えなければ、現役世代に将来はありません。人を増やさずに介護サービスの質を維持するには施設介護を中心に計画をするべきと言う結論になります。介護施設を経営している村長がそれを言うと自分への利益誘導に思われてしまい言いにくいところですが、これを読んでくださった方々が簡単な手計算をすればわかることだと思います。
ちなみに、村長は高校生の頃から「年金制度崩壊」を言っていました(笑) 予測される結果として「保険料の値上げ」「年金額の減額」「何もせず破綻」とし、政府が軟着陸するのは「政策的インフレ」としていましたが、まさしく今日、アベノミクスが行っている「マクロ経済スライド」は村長がいう「政策的インフレ」です。ほらっ、村長の予測は当たるのよ(^_-)-☆ 学者さんみたいに緻密な計算は出来ないけど、外枠から粗く計算する能力は中小企業経営者のマストだからねぇ(#^.^#) チョットジマン